Since February 19th, 1996
室井尚著『情報宇宙論』より
あとがき
「献辞」
さて、最後になったが本書を執筆するに当たっていつものように多くの人々にお世話になった。本書の構想は前著『メディアの戦争機械』を執筆中に思いついたものである。この本の編集者渦岡謙一氏にはいろいろな意味で助けられた。また、八十八年暮れから参加した「NTT情報文化フォーラム」で知り合った諸氏、とりわけ金子郁容、大沢真幸、西垣通の各氏には様々な示唆を頂いた。特に、西垣通氏の著書『秘術としてのAI思考』は筆者を大いに励ましてくれた。また、このフォーラムのコーディネーターであった松岡正剛氏には多くのヒントを与えて頂いたし、編集工学研究所の渋谷恭子氏と共に、何度か原稿にも目を通して頂いた。構想が行き詰まっていた時期に親切な助言を頂いた栗本慎一郎氏にも特別の感謝をしたい。また、いつものように僚友吉岡洋氏、妻絵里にも色々な意味で助けてもらった。最後に、いつまでたってもまとまらない構想を辛抱強く育て上げてくれた、岩波書店の斎藤公孝氏。彼がいなければ元々この本は存在しなかっただろう。最初に彼にこの本の構想を話してから随分時間が過ぎてしまった。
初出一覧
序論 情報の宇宙と身体の変容 書き下ろし
第一章 炸裂する宇宙――中心の喪失から情報の銀河へ 書き下ろし
第二章 六〇年代/意識の複数性 書き下ろし
(一部を「銀星倶楽部」フィリップ・K・ディック特集号に)
第三章 技術は「何を」変えたのか?
京都大学美学美術史学研究会編『芸術の理論と歴史』
第四章 都市と身体の変容
日本記号学会編『記号学研究』9
第五章 「人間」を「編集」すること
『帝塚山学院大学研究論集』二四
第六章 サイバースペースは「人間」の夢を見るか――あるいは、「現在」の迷路
『パソコンを思想する』翔泳社PCページ一〇
第七章 SFからバイオロジクス/ニューロポリティクスへ
日本記号学会編『記号学研究』一〇
第八章 情報・身体・宇宙
1 TVからTEへ
「スタジオ・ボイス」一九九〇年六月号
2 写真の行方
京都近代美術館「視る」一九九〇年一一月号
2 サンプリングの宇宙
「Music Today Quartery」一二号
3 戦争 書き下ろし
第九章 身体の編集工学としての「芸術」、あるいはもうひとつの「技術」
美学会第四一回全国大会(広島大学)における口頭発表
結章――情報のコスモロジーと身体の編集工学 書き下ろし